【改善事例】Googleアナリティクスを見ているだけでは分からない課題が見える、ユーザビリティテストの重要性
2022年06月20日(月)
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ウェブサイトを改善したいときに、GoogleAnalyticsのデータを分析して改善箇所を見つける、というのがよくある方法です。
GoogleAnalyticsでももちろん分析はできるのですが、それに加えて「ユーザビリティテスト」を行うと、もっと実際のユーザーの行動が見えるので、より具体的な、そしてよりユーザーの使いやすさに沿った改善提案ができるようになります。
今回は、実際にサイトのリニューアル時に行ったユーザビリティテストと、その改善案についてお話しますね。
そもそも、ユーザビリティテストとは?
ユーザビリティテストとは、ユーザーに実際にサイトを操作してもらって、どこでつまずいたかや見やすさなどを調査するものです。
例えば、「通販サイトで○○を購入してください」という課題をユーザーにテストしてもらって、その商品の購入に至るまでにどう感じたか、どう操作をしたかを記録していきます。
その際、
・○○の商品がなかなか見つからず、サイト内検索を使った
・数量の指定のプルダウンが押しにくかった
・商品の説明が分かりやすかった
・支払い方法を指定するところにクレジットカードが無かった
などの意見、感想を出していただき、それをもとに改善提案を行っていきます。
このユーザビリティテストを行うことで、例えば
「プルダウンが押しにくい」
「商品の説明が分かりやすい」
「支払い方法にクレジットカードが無い」
などGoogleAnalyticsでは発見できないような課題が見つかります。
Analyticsの分析と合わせて、ユーザビリティテストを行うことはとても重要になってきます。
お問い合わせページのユーザビリティの改善事例
実際に、私が携わったお問い合わせページのユーザビリティ改善事例をご紹介しますね。
ユーザビリティテストの内容「問い合わせを行う」
テストしてもらうユーザーさんに、以下の課題をやってもらいました。
【ホームページからこの企業の最寄りの営業所に電話で問い合わせる】
その企業のサイトは問い合わせ先が営業所ごとに複数あり、電話番号もその数だけあります。
そこから、最寄りの営業所の電話番号を見つけて問い合わせる、という課題です。
スマートフォンでテストを行ってもらいました。
改善前のサイトで、ユーザーはスクロールをやめてしまった
お問い合わせページにはスムーズに移動できたものの、少しスクロールしただけで、スクロールをやめてしまいました。その後、少し戸惑った様子でまたスクロールを再開しました。
そこには、営業所と電話番号の一覧が都道府県別で掲載されていました。
問題だったのが、都道府県の並び順です。
テストをしてもらったユーザーは香川県の方。
当然、お問い合わせページでは香川県の営業所を探します。
対象のお問い合わせページでは、都道府県の並びが以下のようになっていました。
- 愛媛県
- 高知県
- 徳島県
- 香川県
四国にお住まいの方でないと分かりにくいかもしれませんが、一般的に四国四県を順番に表示する際は、都道府県番号にそって
- 徳島県
- 香川県
- 愛媛県
- 高知県
または、郵便局サイトのように
- 香川県
- 愛媛県
- 徳島県
- 高知県
の順番になります。
ここで香川県の順番に注目していただきたいのですが、一般的には、香川県は2番目か1番目に記載されます。
テストしたページでは、香川県は一番下になっていました。
ユーザーさんは、お問い合わせページをスクロールしていき、
愛媛県・・・高知県・・・
と見て、「香川が無い?」と一瞬戸惑ったようです。
改善後のページでは、一般的な四国の都道府県の並びに変更
改善後は、一般的な都道府県番号に沿った並び順に変更しました。
また、ページ上部に各都道府県営業所へのアンカーリンクを貼ることで、目的の箇所に到達しやすくしました。
ちなみに、この変更で高知県が最後になってしまいましたが、都道府県番号の並びなど一般的に使われている順番になったため、高知の方は「最後に高知県が来る」というのは感覚的に認識しています。
よく使われるものを取り入れるのが良いですね。
ユーザビリティテストでより快適な操作性を提供
このように、ユーザビリティテストは実際のユーザーさんの目線に近い課題が発見できるので、サイト改善の際にはぜひ取り入れていきたいですね。
なかなか予算がない、といった場合もあると思いますが、その際は自分がいちユーザーになって行ってみたり、家族や同僚など、そのサイトに先入観を持っていない身近な人に少しだけお願いするのも良いかと思います。